HM STING 02 4th, 2012
「運転見合わせ」から「運休」に変わり、いよいよこれで帰路への選択肢は一つだけ。秋田新幹線での盛岡経由は快適だがやはり難儀の大移動。それでもどうしても帰らなければならないから困った。大寒波の悪い時に、とても悪い場所に出張していました。秋田なうっ(×)
行きの特急列車では強風の影響により、長時間車内に閉じ込められた挙げ句がバス代行。この特急が一度飛翔しているので、鉄道会社も相当ナイーブなのだろう。そこが何処なのかまったく分からない崖の上で緊急停車したのだが、風よりもまずその景観が恐ろしかったッス(×)
予定より五時間遅れで市内に到着するも、市内の交通網もマヒ状態。あと一駅で目的地にたどり着けるのだが、今日はその一駅が遙かに遠い。飛び乗ったタクシーだったが、悪路に飛び跳ね低速運転。しかし、無情にも料金メーターは飛び上がって行く。多大な時間と経費を使いようやく訪れた先だったが、気力など既にあろうものか—— どんなに移動の疲れでくたくたになっていても、仕事はぱりぱりの状態でしっかり残っていました(×)
結局、おばこ美人さんとの運命的な出会いもなく、秋田の夜は明けて行きました。翌日の新幹線大移動の件も手伝ってか、珍し感情が芽生えました。しばらく出張は結構です—— 非常に疲れました。
しかし「はやて」にドッキングした後の「こまち」の速さと言ったら、目が回りそうなほどでした(笑)
HM STING 01 29th, 2012
南東の風はやや強く川を上っているが、波は穏やかである。予報通りの波高で気温も高い。年甲斐もなくはしゃぐ私たちの胸は期待で膨らんでいた。いよいよ東から白んでくると、小刻みな蒸気音を立てて渡船は接岸した。とても不機嫌そうな顔で降りてきた船頭が待合のベンチを立つ私たちを一度にらみつけた。
怒声のように荒々しく今日の海況を話す船頭の言葉に、涼しい顔の私たちはそのまま凍るような感覚に苛まれた。波こそ穏やかなれど強風につき今日は中止にしようと思っていたと、船頭は煙草を燻らしながら沖の方を見つめた。
「昨日も二人落ちているからな」と——
真冬の沖堤防への挑戦を選んだのは、まず実績のある釣り場だということ。そして立入禁止の柵などがない「合法的」な釣り場だということ。本当に合法的かどうか実は分からないが(笑)極めて厳しい状況にこそ大物は潜んでいるというもの。また、釣り船やボートでの釣りは私の信条に反則するが、渡船はそれとはまた違う。二本の足で沖堤防に降り立つのだから、これは正攻法だ。
一人は助けたけれど、もう一人は流されたと(それでも助かったらしいが)いちいち新聞にも載らぬ、よくある事故だという船頭の話に二人とも凍っていると、凝視された同行者がいきなり怒鳴られて解凍させられた。ズック!慌てて履き替えるも、同行者のニーブーツにスタッドは打たれていなかった。そうは言っても晴れているし大丈夫でしょうと平静を装うと、船内に釣具を積み込んでいた常連客が大きな笑い声を上げた。海苔がね、つるつるなんだよ—— 「ノリツル」だと高らかに笑う常連客は、私のブーツにも大丈夫かな?と笑みを浮かべた。SHIMANOじゃなきゃダメだよと、SIMMSが笑われた。
新参者に照準が絞られると揶揄は続いた。私たちよりも明らかな薄着に防寒対策を指摘される。船頭さんに至っては試供品?ICE GUARDとプリントされた薄手のジャンパー一枚だ。私はお前が心配だ。アルパイン用なんだけどと説明しても、SHIMANOとDAIWAとYOKOHAMAタイヤしか知らないのだから通じない。からかわれて少しだけ腹を立てたが、確かに同行者のニーブーツではノリツルに耐えられない。海況も悪そうだし、昨日は二人も落ちているし・・・。一人は流されているし・・・。冷静になると、嫌みな助言だがありがたい意見でもあると思わせた。
初めてということもあるし、今日は辞退と決断する。また改めると伝え、乗り場を離れようとすると、急に顔色を変えた船頭が機嫌の良さそうな声で引き留めた。結局は人を渡さないと儲けにはならない渡船のこと。
「自信があるなら、乗せますよ!」 ——どっちなん!
沖堤防への挑戦はまさかの乗船失敗で終わったのだが、後に強く降り出した雨に辞退は英断だったと振り返った。ノリツル、恐るべしっ(笑)
HM STING 01 19th, 2012
不気味なほどに穏やかな海はべた凪で、透き通る潮が青々と輝いていた。まさしく千載一遇の大チャンスが到来したのだが、こんな好天にも釣りには行かず、突然真面目の毛が生えたようにプチ残業までこなす私は、私自身が不気味であった。仕事なんかしている場合じゃないのに、相当ダサい——(×)
確か、セルビッチ(赤耳)と呼ばれるディテールを持つモデルまでがヴィンテージとして成立するのが古着の世界。年代で言えば80年代の中頃までの物を指す。ambassadeurリールの世界もこれに大体時を同じくして、ヴィンテージであるか否かの境界線を引かれることが多い。そのヴィンテージ品と現行品の間に生じる格差はとても大きく、モデルは同じでもディテールが違えばそれはもう相当ダサいとされるのが一般的な見解であることが多い。
しかし時代の波に長年埋もれてきた、かつてのダサい品も今となってはミドルエージ。見方を変えれば、どうしてこれが中々渋いと気付かされた。【ambassadeur USA 6000C】はその名の通りDesigned and Built in USA。ギア比は5.3:1で、スプールシャフトが分離するウルトラキャスト構造を持つ。軽量アルミフレームの自重は290gとすこぶる軽いのも特徴だ。これらの機構はヴィンテージ品と比べて一概に良し悪しを決めることは出来ないが、それでも現代の英知にはより近いということが大きな魅力でもある。
相当ダサいとされる年代品。ミドルエージのリールが今、私の心を不気味に誘うのであった。
(笑)
HM STING 01 18th, 2012
カーステレオに挿入されていたCDが思わずどん引きするような現行J-POPというのは、まさしく「友達をやめたくなる」瞬間——
名は体を表すと同じで、聴く音楽は如実に感性を表す。だから、どうせダサい音楽を聴くなら、とことんダサいのを選べないものかと叱咤して、私が取り出した一枚は【BROS】。なるほど、これはダサい(笑)
UKダンス・ミュージックの部類だが、名曲♪Too muchはいわゆる「かかっている」曲で、抜群のビートに効いたギターのエッジは今にしても相当カッコイイ。いや、ダサい。そして双子の兄弟が履きこなすストーン・ウォッシュのジーンズの色合いがなんともまた素晴らしい。いや、素晴らしくダサい。ルックスさえ何とかまともに生まれて来たのであれば、私は濃い色合いのジーンズなんて絶対履かないし、そんなカッコイイの履けるわけがないではないか!(笑)
インデックスのカードを別売りの「夜景」なんかに変えて、丁寧にアルファベットでレタリング。友達をやめる前に、お気に入りのサウンドをダビングしたカセットテープを贈りたいと考えていますが、それでは先に私が友達をやめさせられてしまいますね——
(笑)
HM STING 01 17th, 2012
ようやく寒気が抜けて、明日から週末にかけて波高は一メートルを下回る見込み。この日を逃せばまた日本海は荒れ、締め切りまで波飛沫が飛ばされることになるだろう。またとない絶好の機会。さて、日中の仕事をどうするかっ——
初釣りの話が去年の引き続きの展開でタコ釣りの話というのも、なんとなく景気が悪そうで少し不本意なのですが、厳冬期こそが「本番」ということで私を急かせます。いよいよ接岸してくるのは北海のモンスターこと「ミズダコ」。世界最大種であるこのタコが、何故だか私の地元で釣れちゃうもんだから、残念なことになりました(笑)
三十キロにも四十キロにもなるモンスターですから、相手にとって不足はなく釣り挑むことはとても楽しみ。しかし、問題は釣り場にありました。接岸する釣り場のほとんどが釣り禁止、立入禁止になってしまっているという現状に頭を抱えています。
大物に釣り人は夢を抱くのでしょう。うねりを伴い激しく荒れる海にも果敢に挑んでは、毎年大勢の釣り人が命を落としています。沖へと長く続く大堤防は高波でナイアガラの滝のようになっています。それでも果敢に挑むのですから、、、。命懸けと、私は良く口にしますがこれは違います。無謀極まりないだけ。これは阿呆だと。おまけに、事故が多いから釣り禁止になり、厳重に敷かれた柵で立入禁止になる。これも当然の報い、結末ですね。
それでも懲りない面々は夜な夜な柵を跳び越え、大堤防に忍び入るとのことだからどうしようもない。有刺鉄線に引っかかった「もんぺ」の切れ端が、風になびいて帰らぬ持ちの主を待ち侘びているとの冗談話を聞いた時は、大爆笑の後に絶句しました。本気の阿呆だと(笑)
また、その独特な釣り方は既に釣りの枠を超えた道具を用います。むき出しの大型のテンヤ針にはやっぱりプラスチックのカニを添えて。激しくド派手な仕掛けはピッカピカの防鳥テープ仕立て。竿は短くて太い釣り糸はもはや糸ではなくワイヤー巻き。おバカのフルコース的な道具にプラスして、完全防備の釣り人が背負った鋭いギャフはもはや武器にしか見えません。真冬の銀行強盗の他なりません。
タコはルアーフィッシングとして成立する好対象魚ですが、残念ながら既存の釣り人の意識が低すぎるのでしょう。世界最大級のバカっぽさは無謀の極みです。マナーというか既にルール違反である釣り場への侵入しかり、釣りを超えた激しい道具しかり。もんぺしかり。
私は強盗じゃない。まっとうな釣り師だ!と決起して、強くて操作性に優れた釣竿を握りました。が、一体何処で釣れるのか—— とても憂鬱な時間が過ぎて行きます。
(笑)
※画像は対ミズダコ用に改良を施したSESAME-L。スカート、ブレード仕様でフックはステンレス製(バーブレス)に交換。フロッグ・ルアーこそ究極のルアーだと信条する私だから、やっぱりこれで釣らなきゃ意味がない。本気です、俺!